請求書を無料・登録不要で作成|月10枚まで無料のアプリの選び方
請求書を無料・登録不要で作成する方法を解説。会員登録なしの登録不要型と登録型無料プランの違い、インボイスに必要な6項目、控えの保存期間(個人5年・法人7年、適格請求書の写しは7年)、無料枠の枚数の確認ポイントまで。
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この記事でわかること
- 「無料の請求書作成」には登録不要型と登録型の無料プランの2種類があること
- 登録不要の無料アプリを選ぶときに確認したい4つのポイント(無料枠の枚数・透かし・インボイス対応・データの保存先)
- 無料で作った請求書がインボイス(適格請求書)になる条件と、必要な6項目
- 発行した控えの保存期間(個人事業主5年・法人7年・適格請求書の写しは7年)
- スイスイ請求で請求書PDFを作るまでの具体的な手順(無料は毎月10枚まで)
結論: 登録不要の請求書アプリなら、開いたその場で作成→PDF まで無料でできる
会員登録なしで使える請求書アプリなら、ブラウザで開いてそのまま入力し、請求書 PDF を保存するところまで無料で終わります。アカウント作成もメール認証もプラン選択も挟みません。「請求書を 1 枚作りたいだけなのに、登録から始めなければならない」という回り道が、そもそも発生しない仕組みです。
気になるのは「無料で、しかも登録もしていないツールで作った請求書が、取引先に出して通用するのか」という点だと思います。ここは制度側の答えがはっきりしています。請求書がインボイス(適格請求書)として通用するかどうかは、使ったツールの値段でもアカウントの有無でもなく、記載事項がそろっているかで決まります。国税庁は適格請求書の記載事項として、①書類作成者(適格請求書発行事業者)の氏名または名称および登録番号 ②取引年月日 ③取引内容(軽減税率の対象品目である旨) ④税率ごとに区分して合計した対価の額および適用税率 ⑤税率ごとに区分した消費税額等 ⑥書類の交付を受ける事業者の氏名または名称、の 6 つを挙げています。 もう 1 つ先に押さえておきたいのが、発行したあとの保存期間です。個人事業主が青色申告で交付した請求書の控えは「その他の書類」として 5 年、法人は原則 7 年、適格請求書発行事業者が交付した適格請求書の写しは事業形態にかかわらず 7 年の保存が必要になります。
「無料」には 2 種類ある: 登録不要型と、登録して使う無料プラン
「無料の請求書作成」は、アカウントを作らずに使う登録不要型と、アカウントを作ったうえで無料枠の範囲だけ使う登録型に分かれます。同じ「無料」でも、始めるまでの手間もデータの置き場所も違います。
| 登録不要型 | 登録型の無料プラン | |
|---|---|---|
| 始め方 | ブラウザで開くだけ | アカウント作成・メール認証 |
| データの置き場所 | 端末内に保存されるものが多い | 運営側のサーバー |
| 継続利用 | ID・パスワード不要 | ログイン必須 |
| 注意点 | 端末やブラウザのデータ管理は自分で行う | 無料枠の上限や条件がサービスごとに異なり、改定されることもある |
登録型は、複数端末での同期やチームでの共有に強みがあります。一方で無料枠の範囲や条件は利用規約に沿ってサービス側が決めるため、使い込んだあとで「今月分はここまで」という上限に当たることがあります。これは登録の有無で決まる話ではなく、登録不要型にも無料で作れる枚数を決めているものがあります。どちらを選ぶにせよ、無料で使える範囲は先に確かめておくのが安全です。月に数枚の請求書のために使うなら、そもそもアカウント自体が要らない登録不要型のほうが身軽です。
判断の分かれ目は「月に何枚発行するか」と「何人で扱うか」の 2 つに整理できます。1 人で月に数枚なら登録不要型、複数人で同じ請求書データを共有する必要があるなら登録型、と考えると迷いません。では、登録不要型を選ぶときは何を見ればよいのでしょうか。
登録不要の無料アプリを選ぶときの確認ポイント 4 つ
見るのは「無料枠の枚数」「PDF の透かし」「インボイス制度への対応」「データの保存先」の 4 点です。いずれも使い始めてから気づくと乗り換えの手間が大きい項目なので、最初に確認しておきます。
- 無料枠の枚数と、上限を外すときの料金が明示されているか — 無料で作れる枚数はサービスごとに異なるのが実情です。自分の月あたりの発行枚数に対して無料枠が足りるか、足りない月にいくらで上限が外れるかまでを、使い始める前に見ておきます。繁忙月だけ枚数が跳ねる人ほど、この 2 つを先に確認しておく価値があります
- PDF に透かし(ロゴ・広告)が入らないか — 取引先に送る書類なので体裁は重要です。出力した PDF の現物を 1 枚見て確かめるのが確実です
- インボイス制度に対応しているか — 「T」+13 桁の登録番号を書く欄があること、税率ごとに区分して合計した対価の額・適用税率・消費税額等を表示できること、の 2 点を見ます。登録番号は、法人番号を持つ課税事業者なら「T+法人番号」、それ以外の課税事業者は「T+13 桁の数字」で構成されます
- データがどこに保存されるか — 端末内保存なら、入力した取引先情報や金額が外部サーバーに送られません。そのぶんバックアップは自分で意識する必要があります
3 つめは、自分が適格請求書発行事業者として登録しているかどうかが前提になります。インボイス未登録の免税事業者は適格請求書そのものを交付できないため、様式の考え方が変わります。この場合の書き方は免税事業者の請求書の書き方で整理しています。
4 点を資料で調べて回るより、候補のツールで実際に 1 枚作り、出力した PDF を見るほうが早く片づきます。
登録不要で作った請求書は、インボイス(適格請求書)として使えるか
使えます。適格請求書かどうかは作成ツールではなく記載事項で決まるため、6 つの項目がそろっていれば、無料・登録不要のアプリで作った 1 枚でも適格請求書です。
前提が 1 つあります。適格請求書を交付できるのは、税務署長の登録を受けた適格請求書発行事業者だけです。登録を受けていない事業者が登録番号らしき文字列を書いても、その書類は適格請求書にはなりません。 国税庁が示す記載事項は次の 6 つです。
- 書類作成者(適格請求書発行事業者)の氏名または名称および登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
- 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜きまたは税込み)および適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
小売業、飲食店業、タクシー業等を営む事業者が交付する書類については、④の適用税率と⑤の消費税額等はいずれか一方の記載で差し支えなく、⑥の交付を受ける事業者の氏名または名称の記載も不要とされています。請求書を特定の取引先に宛てて出す個人事業主の場合は、6 項目をすべて書く前提で考えておけば間違いありません。 値引きや返品を請求書の中でどう表現するかは、消費税の計算にも関わる論点です。書き方は請求書の値引きの書き方で整理しています。
まとめると、無料か有料かはインボイス対応の可否を分けません。分けるのは、登録を受けているかどうかと、6 項目を書ける様式かどうかの 2 つです。
スイスイ請求なら登録不要で、開いてすぐ請求書 PDF まで
ブラウザで動く請求書アプリ「スイスイ請求」は、上の 4 点を確かめやすい登録不要型のツールです。https://suisui-invoice.com を開くだけで使えて、無料のまま毎月 10 枚まで帳票を作成でき、印刷・PDF 出力・角印の自動生成・インボイス様式もその範囲で使えます。それ以上を出す月は、月額 400 円の発行プランで作成の上限が外れます(プランの内容と料金はアプリ内の表示が最新です)。登録番号欄と税率ごとの区分表示を備えた様式なので、上の 6 項目もそのまま埋まります。入力したデータは端末に保存され、サーバーには送られません。社名を入れると角印が自動生成されるため、書類の体裁も整います。
作成手順(スマホでも PC でも同じ)
- ブラウザで https://suisui-invoice.com を開く
- 自分の名前(屋号・社名)と取引先、品目・金額を入力する
- 必要ならインボイス登録番号・源泉徴収欄を設定する
- PDF として保存し、メールや LINE で送る
翌月は端末に残った前回データをもとに、日付と品目を変えるだけで次の 1 枚が作れます。同じ取引先に月内何度も納品した分をまとめて 1 枚にする合計請求書も、同じ流れで作成できます。
複数端末でのデータ同期や AI 入力補助といった拡張機能は、発行プランや AI アドオンなど有料プランの範囲です(プランの内容と料金はアプリ内の表示が最新です)。請求書の作成と PDF 出力という基本の仕事は、毎月 10 枚までなら無料の範囲で完結します。
無料で作るときの注意点
注意するのは「控えを何年残すか」「電子データのまま保存する必要があるか」「記載事項に抜けがないか」の 3 点です。いずれも無料かどうかとは関係なく、請求書を発行した側に課される実務です。
控えの保存期間は、立場と書類の種類で変わる
| 立場・書類 | 保存期間 | 補足 |
|---|---|---|
| 個人事業主(青色申告)が交付した請求書の控え | 5 年 | 「その他の書類」に該当 |
| 個人事業主(白色申告)が交付した請求書の控え | 5 年 | 業務に関して作成・受領した書類 |
| 適格請求書発行事業者が交付した適格請求書の写し | 7 年 | 立場を問わず 7 年 |
| 法人の帳簿書類 | 7 年 | 原則。欠損金が生じた事業年度は 10 年 |
青色申告では、仕訳帳や総勘定元帳などの帳簿と決算関係書類が 7 年、請求書・見積書・契約書・納品書は「その他の書類」として 5 年です。ただし適格請求書発行事業者として交付した適格請求書の写しは、この区分にかかわらず 7 年になります。法人は 7 年が原則で、起算点はその事業年度の確定申告書の提出期限の翌日です。青色申告書を提出した事業年度で欠損金額が生じた事業年度は 10 年で、災害損失金額が生じた事業年度も同じ 10 年です(平成 30 年 4 月 1 日前に開始した事業年度は 9 年)。
PDF でやりとりした請求書は、電子データのまま残す
請求書を PDF にしてメールで送った場合、控えを紙に印刷して保管すれば足りるとは限りません。国税庁は、請求書・領収書などを紙ではなく電子データでやりとりした場合には、一定の要件を満たして電子データのまま保存する必要があると案内しています。送る側も受け取る側も同じ扱いです。日付・取引先・金額で後から探せる形でフォルダに残しておきます。
端末保存型では、控えを別の場所にも置く
登録不要型は入力データが端末に残る設計が多いため、端末の故障や買い替え、ブラウザデータの削除で参照できなくなることがあります。発行のたびに PDF をクラウドストレージや別のフォルダにも保存しておけば、端末側が失われても控えは残ります。
送付前に記載事項を見直す
宛名・発行日・振込期日・振込手数料の負担・登録番号など、取引先と合意した内容が反映されているかを送付前に確認します。交通費などを立て替えた分を請求に含めるときは、報酬と分けて明細に書く方法があります(立替経費の請求書の書き方)。
まとめ
- 「無料の請求書作成」は登録不要型と登録型無料プランの 2 種類。1 人で月に数枚なら登録不要型が身軽で、選ぶ基準は「無料枠の枚数・透かし・インボイス対応・データの置き場所」の 4 つ
- 適格請求書になるかどうかは記載事項の 6 項目で決まる。無料・登録不要で作った 1 枚でも要件を満たせば適格請求書
- 控えの保存は、個人事業主が交付した請求書の控えが 5 年、適格請求書の写しと法人の帳簿書類が 7 年
- スイスイ請求は登録不要で、開いてすぐ請求書 PDF を作れる(無料は毎月 10 枚まで。それ以上出す月は月額 400 円の発行プランで上限が外れる)
次のステップ
- 「無料枠の枚数・透かし・インボイス対応・データの置き場所」の4点を、いま使っている(または検討中の)サービスに当てはめて確認する
- 記載事項の6項目(登録番号・取引年月日・取引内容・税率ごとの合計額と適用税率・消費税額等・交付先名)が請求書に入っているか見直す
- 発行済みの請求書 PDF の控えを、5 年(適格請求書の写しは 7 年)残せる場所に整理する
- スイスイ請求を開いて、実際に請求書を1枚作ってみる
よくある質問(FAQ)
Q1. 登録不要だと、作った請求書のデータは消えてしまいませんか?
スイスイ請求の場合、データはお使いの端末(ブラウザ)に保存され、次に開いたときも続きから使えます。ただし端末の故障やブラウザデータの削除には備えが必要です。発行した PDF の控えは、別の場所にも保存しておきましょう。
Q2. 無料の範囲でインボイス制度に対応した請求書を作れますか?
作れます。適格請求書の要件は記載事項で決まり、登録番号の記載、税率ごとに区分して合計した対価の額・適用税率・税率ごとの消費税額等の表示に無料の範囲で対応しています(スイスイ請求の場合、無料で作成できるのは毎月 10 枚までです)。前提として、自分が税務署長の登録を受けた適格請求書発行事業者である必要があります。
Q3. 会社宛ての正式な請求書として使えますか?
使えます。請求書の効力は様式や作成ツールではなく記載内容で決まります。必要な記載事項(発行者・宛先・日付・品目・金額・インボイス登録番号など)が揃っていれば問題ありません。
Q4. 無料で作った請求書と、有料ソフトで作った請求書に法的な違いはありますか?
ありません。適格請求書の記載事項は国税庁が定める 6 項目で、どのツールで作成しても同じです。発行後の保存義務も同じで、個人事業主が交付した請求書の控えは 5 年、適格請求書の写しは 7 年です。違いが出るのは、同期・共有・自動入力といった作業効率の部分になります。
Q5. 毎月同じ内容の請求書も、毎月 1 枚ずつ作る必要がありますか?
毎月 1 枚ずつ発行するのが基本です。変わるのは発行日・対象月・請求書番号くらいなので、前回データが端末に残る登録不要型なら数十秒で 1 枚出せます。数か月分をまとめる方法や契約書方式との使い分けは、毎月同額の請求書の書き方で解説しています。
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※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、税務・法務に関する助言ではありません。制度の個別の取り扱いは国税庁の案内や税理士等の専門家にご確認ください。