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合計請求書の書き方|インボイス対応の記載事項と月締めの記入例

合計請求書は、締め日までの納品明細を一覧にし、合計金額と税率ごとの消費税額を記載した1枚にまとめれば発行できます。国税庁が認める記載方法の根拠、検算の通る記入例、月締め請求の実務4ステップを解説します。

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合計請求書の書き方|インボイス対応の記載事項と月締めの記入例

この記事でわかること

  • 合計請求書(月締め請求書)に書くべき項目と、通常の請求書との違い
  • 小計 104,850 円・消費税 10,485 円・合計 115,335 円まで検算の通る記入例
  • 締め日決定から入金確認までの月締め請求の実務 4 ステップと、支払期日の決め方
  • 消費税の端数処理を「1 枚につき税率ごとに 1 回」で計算する手順

合計請求書(月締めの請求書)は、締め日までの納品明細を一覧にし、合計金額と税率ごとの消費税額を記載した 1 枚にまとめれば発行できます。「まとめて 1 枚にしてよい根拠が分からない」— 月締めに切り替えたい側の疑問に、国税庁と公正取引委員会の一次情報で答えます。

結論: 月内の取引を「締め日」で区切り、明細をまとめた1枚を発行すればよい

月内の複数回の納品は、締め日で区切って明細を一覧にし、合計金額と税率ごとの消費税額を記載した 1 枚として発行できます。国税庁は適格請求書の記載方法として「課税期間の範囲内で、一定の期間内の取引をまとめて記載する方法」を認めており(国税庁 タックスアンサー No.6625・2026-08-21 確認)、納品のたびに 1 枚ずつ発行する必要はありません。

作り方の要点は次の 3 つです。

  1. 取引先と「締め日」と「支払期日」を取り決める(例: 月末締め・翌月末払い)
  2. 締め日までの納品分を日付・内容・金額の明細として一覧にする
  3. 合計金額・消費税額を記載した 1 枚の請求書として発行する

記入例を示します。デザイン制作を月 4 回納品した 6 月分を、月末締めで 1 枚にまとめた形です。

項目記載例
発行日・請求書番号2026 年 6 月 30 日/No. 2026-06-014
件名・対象期間2026 年 6 月分 制作業務 ご請求書(6/1〜6/30)
明細①(6/3)ロゴ修正対応(3.5 時間 × 5,850 円) 20,475 円
明細②(6/11)バナー制作(7 点 × 4,350 円) 30,450 円
明細③(6/19)LP 追加セクション制作(2.5 日 × 18,900 円) 47,250 円
明細④(6/26)写真レタッチ(15 点 × 445 円) 6,675 円
小計(10% 対象)104,850 円
消費税(10%)10,485 円
ご請求金額115,335 円

金額と単価は説明用の例で、相場を示すものではありません。ポイントは、明細行が 4 行あっても消費税の計算は最後に 1 回だけという点です。以下、書くべき項目・都度請求との選び分け・実務の流れ・締め日と支払期日・端数処理の順に整理します。

合計請求書に書く項目

合計請求書も、記載すべき項目は通常の請求書と同じです。インボイス(適格請求書)として発行するなら、必要な記載事項は ①発行者の氏名または名称と登録番号 ②取引年月日 ③取引内容(軽減税率の対象品目である旨を含む) ④税抜対価または税込対価を税率ごとに区分して合計した金額と適用税率 ⑤税率ごとに区分した消費税額等 ⑥交付を受ける事業者の氏名または名称、の 6 項目です(前掲 No.6625)。登録番号は「T + 13 桁」の形です。④の金額は、税込・税抜のどちらで記載してもかまいません。

合計請求書では、この 6 項目に加えて次の 2 つを備えておくと実務が滞りません。

  • 対象期間(例: 2026 年 6 月 1 日〜6 月 30 日)を件名か明細の見出しに書く
  • 取引ごとの明細(納品日・品目・数量・単価・金額)を日付順に並べる

通常の請求書との違いは、この対象期間と取引ごとの明細行がある点です。②の取引年月日は明細行の納品日が担うため、「いつの・どの納品分か」が明細で分かる形にしておくと、取引先の検収と支払処理がそのまま通ります。軽減税率 8% の品目がある場合は、10% 対象と 8% 対象を分けて小計と消費税額を出します。毎月 1 件・同額の取引なら明細行は 1 行のままで、変わるのは対象期間だけです(毎月同額の請求書の書き方)。

都度請求と月締めの合計請求書はどちらを選ぶか

月内に何度も納品する取引なら、月締めの合計請求書のほうが双方の処理が減ります。判断材料を整理します。

観点都度請求(納品ごとに 1 枚)月締めの合計請求書
発行枚数(1 か月に 10 回納品)10 枚1 枚
消費税の端数処理1 枚ごとに税率ごと 1 回(計 10 回)1 枚につき税率ごと 1 回
取引先の支払処理振込が複数回に分かれやすい支払日にまとめて 1 回
向いている取引単発・高額・スポットの仕事反復・少額・多回数の仕事

都度請求は納品ごとに入金の起算点ができ、単発の高額案件や初回取引に向きます。一方で反復取引では、作成・送付・入金消込が納品の回数だけ発生します。配送や制作代行のように月末締めが標準の業種もあり、軽貨物では 1 か月分をまとめて 1 枚に記載する形が一般的です(軽貨物の請求書の書き方)。

月締め請求の実務の流れ

月締め請求は「締め日を決める → 納品のつど記録 → 締め日後に発行 → 入金確認」の 4 ステップで回します

  1. 締め日を決める: 月末締めが一般的ですが、20 日締めなど取引先の経理サイクルに合わせる場合もあります
  2. 納品のつど記録を残す: 納品書を発行しておくと、月末の集計がそのまま明細になります
  3. 締め日後に合計請求書を発行: 対象期間の取引を集計し、1 枚にまとめて送付
  4. 入金を確認する: 支払期日に入金されたかを照合し、未入金があれば確認の連絡を

月締め請求の実務4ステップ(締め日決定→記録→合計請求書発行→入金確認)を示すフロー図

つまずきやすいのは 2 と 3 の間です。納品記録がバラバラだと、月末に「今月何をいくら分納品したか」を思い出す作業から始まります。控えを取引先別・日付順にそろえておけば、締め日後は転記と検算で終わります。反復して受ける業務委託でも、納品の記録をそのまま明細にする流れは同じです(美容師の業務委託で使う請求書の書き方)。

なお、納品書と請求書の両方を出している場合、記載事項を 1 枚で全て満たす必要はありません。国税庁は、取引の都度に納品書を交付して請求は 1 か月分をまとめる形について「一の書類のみで全ての記載事項を満たす必要はなく、交付された複数の書類相互の関連が明確であり、適格請求書の交付対象となる取引内容を正確に認識できる方法(例えば、請求書に納品書番号を記載するなど)で交付されていれば、その複数の書類の全体により適格請求書の記載事項を満たすことになります」としています(国税庁 インボイス制度 Q&A 問 65・令和 5 年 10 月改訂・2026-08-21 確認)。納品書に日付と品目、請求書に登録番号と税率ごとの集計を載せる分担も可能ですが、その場合は請求書に納品書番号を記載するなどして書類どうしの関連を明確にし、両方をセットで保存します。

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締め日と支払期日の決め方

締め日は取引先の経理サイクルに合わせ、支払期日は「翌月末日」のように具体的な日付で契約に書きます。支払期日を決めないままだと、入金の遅れを指摘する基準がなくなります。

従業員を使わずに 1 人で仕事を受けている場合は、フリーランス法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)の保護対象(特定受託事業者)になります。このとき、従業員を使う発注事業者(法律上の「特定業務委託事業者」)は、特定受託事業者の給付を受領した日から「60 日以内のできる限り短い期間内で報酬の支払期日を定め」なければならないとされています(公正取引委員会 フリーランス法 Q&A・2026-08-21 確認)。発注する側も従業員を使わない一人の事業者であれば特定業務委託事業者にあたらず、この支払期日の義務は適用されません。

月締めで確認したいのは、月末締め・翌月末払いだと締め日の翌日に納品した分が 61 日目・62 日目の支払いになる点です。公正取引委員会は月単位の締切制度について、60 日以内との規定を「給付を受領した日から『2 か月以内』として運用するため、本法上問題としません」と示しています(前掲 フリーランス法 Q&A)。月末締め・翌月末払いは、この運用のなかに収まる形です。月初に納品した分の入金は最長で約 2 か月先になるため、締め日と支払期日はセットで書面に残しておきます。

消費税の端数処理は1枚につき税率ごとに1回

合計請求書の消費税は、明細行ごとではなく、1 枚につき税率ごとに 1 回だけ計算します。国税庁は「適格請求書の記載事項である消費税額等に 1 円未満の端数が生じる場合は、一の適格請求書につき、税率ごとに 1 回の端数処理を行う必要があります」とし、注記で「一の適格請求書に記載されている個々の商品ごとに消費税額等を計算し、1 円未満の端数処理を行い、その合計額を消費税額等として記載することは認められません」と明記しています(国税庁 インボイス制度 Q&A 問 57・令和 6 年 4 月改訂・2026-08-21 確認)。切上げ・切捨て・四捨五入のどれを使うかは任意です。

明細が増えるほど、この違いは金額に出ます。冒頭の記入例で、やってはいけない書き方を計算してみます。

明細税抜金額明細ごとに端数処理した消費税
ロゴ修正対応(3.5 時間 × 5,850 円)20,475 円2,047 円(2,047.5 を切り捨て)
バナー制作(7 点 × 4,350 円)30,450 円3,045 円
LP 追加セクション制作(2.5 日 × 18,900 円)47,250 円4,725 円
写真レタッチ(15 点 × 445 円)6,675 円667 円(667.5 を切り捨て)
合計104,850 円10,484 円(認められない書き方)

正しい計算は、小計 104,850 円に 10% をかけた 10,485 円です。明細ごとに切り捨てて足し上げた 10,484 円とは 1 円ずれ、この差は取引先の検算と合わずに問い合わせを呼びます。ご請求金額は 104,850 + 10,485 = 115,335 円です。

軽減税率 8% の品目が混じる場合は、10% 対象と 8% 対象の小計をそれぞれ出し、税率ごとに 1 回ずつ端数処理します。国税庁の記載例は税込建てで、10% 対象 60,000 円(税込)から 60,000 × 10/110 ≒ 5,454 円、8% 対象 40,000 円(税込)から 40,000 × 8/108 ≒ 2,962 円と、税率ごとの区分で割り戻しています(前掲 問 57)。本記事の記入例は税抜建て(小計に税率を掛ける形)なので、税額の求め方が異なります。どちらの建て方でも、端数処理が 1 枚につき税率ごとに 1 回である点は変わりません。値引きの行を入れる場合の計算順序は請求書の値引きの書き方で解説しています。

無料・登録不要で月締めの合計請求書を作る方法

毎月の月締め請求は、登録不要・無料で使える請求書作成 Web アプリ「スイスイ請求」で作れます。ブラウザで開くだけで、登録も初期設定も不要です。合計請求書(月締め)機能では、期間内の帳票をまとめて明細付きの 1 枚を作成でき、税率ごとの区分集計も反映されます。毎月続く請求なら、前月分をもとに次月分をワンクリックで生成できるため、宛先や品目を毎回入力し直す必要はありません。無料で作成できるのは帳票 月 10 件までで、上限を外す場合は発行プラン(月 400 円)です(料金・機能の最新はアプリ内の表示をご確認ください)。

まとめ

  • 合計請求書は「締め日で区切り、対象期間の明細をまとめた 1 枚」を発行するのが基本
  • 記載事項は通常の請求書と同じ 6 項目。これに対象期間と納品ごとの明細行を加える
  • 消費税の端数処理は 1 枚につき税率ごとに 1 回。明細ごとに切り捨てて足すと金額がずれる
  • 締め日と支払期日はセットで契約に書く。月末締め・翌月末払いは月単位の締切制度として運用される
  • 毎月の作業は、翌月分のワンクリック生成があるツールで仕組み化する

次のステップ

  1. 取引先ごとに、月内の取引を 1 枚にまとめる「締め日」と支払期日を決めて合意する
  2. 対象期間・明細・税率別の区分集計など、合計請求書に書くべき項目を確認する
  3. スイスイ請求で今月分の合計請求書を作り、翌月分のワンクリック生成も試してみる

よくある質問(FAQ)

Q1. 納品のたびの請求書と合計請求書、どちらにすべきですか?

取引の頻度と取引先の意向で決めるのが実務的です。月に何度も取引があるなら、月締めの合計請求書のほうが双方の処理が減ります。切り替える際は、締め日と支払期日を取引先と合意しておきましょう。

Q2. 合計請求書でもインボイス(適格請求書)になりますか?

なります。国税庁は適格請求書の記載方法として「課税期間の範囲内で、一定の期間内の取引をまとめて記載する方法」を認めており(前掲 No.6625)、登録番号・取引年月日・税率ごとの区分集計など 6 項目を満たしていれば、1 か月分をまとめた 1 枚でも適格請求書として扱えます。

Q3. 締め日をまたぐ納品は、どちらの月の請求に入れますか?

締め日を基準に、その日までに納品が完了した分をその月の合計請求書に入れます。取引年月日は明細行の納品日で示し、対象期間は「2026 年 6 月分(6/1〜6/30)」のように課税期間の範囲内で書きます(前掲 No.6625)。判断が割れやすいのは締め日当日・翌日の納品です。納品書の日付を基準にすると決めておけば、取引先とも合意しやすくなります。

Q4. 合計請求書と納品書の両方を保存する必要がありますか?

納品書と請求書を組み合わせて記載事項を満たしている場合は、両方の保存が必要です。記載事項は一の書類のみで全てを満たす必要はなく、書類相互の関連が明確であれば(例えば請求書に納品書番号を記載するなど)、複数の書類の全体により適格請求書の記載事項を満たすことになるためです(前掲 問 65)。保存期間は、交付した適格請求書の写しや提供した電磁的記録について「交付した日又は提供した日の属する課税期間の末日の翌日から 2 月を経過した日から 7 年間」です(国税庁 インボイス制度 Q&A 問 79・令和 5 年 10 月改訂・2026-08-21 確認)。

Q5. 毎月ほぼ同じ内容の請求書を作るのが面倒です。

スイスイ請求なら、前月の請求書から次月分をワンクリックで生成できます。宛先と品目が引き継がれるため、月末の作業は明細の追加と検算だけで済みます。

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※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、税務・法務に関する助言ではありません。制度の個別の取り扱いは国税庁の案内や税理士等の専門家にご確認ください。