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電子帳簿保存法と請求書の保管|発行側の保存方法・期間・要件

メールで送った請求書は、発行側の控えも電子データのまま保存するのが原則です。保存期間は法人7年・個人事業主は原則5年、インボイスの写しは7年。真実性・可視性の要件とファイル名の付け方まで整理します。

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電子帳簿保存法と請求書の保管|発行側の保存方法・期間・要件

請求書をPDFにしてメールで送ったなら、発行した側の控えも電子データのまま保存するのが原則です。紙に印刷して郵送したなら、控えは紙で残す方法も選べます。保存期間は法人が原則7年、個人事業主は所得税法上5年で、適格請求書発行事業者として交付した控え(写し)は7年です。電子帳簿保存法という名前は大きく聞こえますが、請求書を発行する側がやることは「渡し方に合わせて控えを残し、後から探せるようにしておく」に整理できます。

この記事でわかること

  • 電子帳簿保存法の3つの区分のうち、発行側にまず関係するのは「電子取引のデータ保存」であること
  • 発行した請求書の控えの保存期間(法人7年・個人事業主は所得税法上5年・インボイスの写しは7年)
  • 電子データで保存するときの要件(真実性の確保・可視性の確保)と、検索要件が不要になる場合
  • 国税庁の一問一答が例示するファイル名の付け方

国税庁の電子帳簿保存法一問一答(令和8年7月版)とタックスアンサーの原文を手がかりに、3つの区分の対照表から順に見ていきます。

電子帳簿保存法の3つの区分と、請求書を発行する側に関係する範囲【対照表】

電子帳簿保存法の保存の仕組みは「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引のデータ保存」の3つの区分に分かれ、請求書を発行する側にまず関係するのは電子取引のデータ保存です。3つの違いは次のとおりです。

表は横にスワイプできます(最初の列は固定表示)→

区分対象発行した請求書ではどうなるか任意か義務か
電子帳簿等保存会計ソフトやパソコンで最初から電子的に作成した帳簿・書類アプリやExcelで作った控えを、印刷せずデータのまま保存する任意
スキャナ保存紙でやり取りした書類を読み取った画像紙で発行した請求書の控えをスキャンして画像で保存する任意
電子取引のデータ保存メール添付やWeb上など、電子でやり取りした取引情報PDFで送った請求書は、送ったデータそのものが保存の対象になる電子でやり取りした分は保存が必要

所得税法・法人税法は、取引の相手から受け取った請求書等だけでなく、相手に交付した書類の写しにも保存義務を置いています。国税庁の一問一答も、請求書や領収書等を電子的に受け取ったり送付したりした場合は、データのまま保存しなければならないとしています(国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」令和8年7月・問1、問30・2026-08-26 確認)。「送ってしまえば手元に残さなくてよい」わけではない、という点が出発点です。メールに添付したPDFだけでなく、クラウドの請求書サービスで発行して相手と共有した場合や、Web上でやり取りした場合も電子取引に含まれます(同・問2ほか)。

一方、最初から紙で作って郵送・手渡しした請求書の控えは、従来どおり紙で保存できます。上の2つの任意の区分は、その紙や自作の控えを電子で残したい人が選んで使う仕組みです。区分が分かったら、次に決めるのは「何年残すか」です。

発行した請求書の控えは何年保存する?(法人7年・個人5年・インボイスの写しは7年)

発行した請求書の控えの保存期間は、法人が原則7年、個人事業主が所得税法上5年で、適格請求書発行事業者として交付した控え(写し)は消費税法上7年です。どの法律から義務がかかるかで年数と起算点が変わるため、3つに分けて押さえます。

法人は、帳簿と、取引に関して作成・受領した書類(発行した請求書の控えを含みます)を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存します(国税庁 タックスアンサー No.5930・2026-08-26 確認)。青色申告書を提出した事業年度で欠損金が生じた場合などは、10年間になります(同)。

個人事業主は、所得税法上、請求書・見積書・納品書・送り状などの書類は5年で足り、帳簿は原則7年です。この扱いは青色申告でも(国税庁 タックスアンサー No.2070・2026-08-26 確認)、白色申告でも変わりません(国税庁 タックスアンサー No.2080・2026-08-26 確認)。

ここに消費税のルールが重なります。適格請求書発行事業者には、交付した適格請求書の写し(データで提供した場合はそのデータ)の保存義務があり(国税庁 タックスアンサー No.6498・2026-08-26 確認)、保存期間は交付した日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間です(国税庁 インボイス制度Q&A 問79・2026-08-26 確認)。つまり、個人事業主でもインボイスの登録を受けているなら、請求書の控えは7年残す前提にしておくと、所得税の5年と数え分ける手間がなくなります。

電子データで保存する場合も、この年数そのものは変わりません。電子取引のデータは、各税法に定められた保存期間が満了するまで保存します(前掲 一問一答)。起算点はいずれも「発行した日」ではなく、確定申告の期限や課税期間の末日を基準に数えます。ご自身の事業がどれにあたるか判断に迷う場合は、税務署か税理士に確認してください。屋号や振込先など個人事業主の請求書の作り方の全体は個人事業主の請求書の書き方ガイドに、インボイス未登録の免税事業者の書き方は免税事業者の請求書の書き方にまとめています。

何年残すかが決まりました。次は「どの形で残すか」——ここで、請求書をどう渡したかが効いてきます。

「電子で送ったのに控えは紙だけ」になっていないか——保存方法は渡し方で決まる

保存方法の判断の軸は「どの方法で相手に渡したか」です。電子で送ったなら控えも電子データのまま、紙で渡したなら紙のまま、が基本線になります。

電子送付なら控えも電子保存が原則、紙で渡したなら紙保存も可という保存方法の分かれ目を示す比較図解

  • メール添付やWebで電子的に送った請求書: 送った側の控えも、電子データのまま保存するのが原則です
  • 紙に印刷して郵送・手渡しした請求書: 控えは紙で保存できます(電子で作った控えをデータのまま保存する方法も選べます)

つまずきやすいのは、PDFで送ったのに控えは紙に印刷してファイルに綴じるだけ、というケースです。後述の猶予措置が適用される場合でも、出力した書面だけを保存してデータそのものを消してしまう扱いは認められていません(前掲 一問一答 問93ほか)。電子で送った請求書は、まず「送ったデータを消さずに残す」ことから始めます。スマホだけで請求書を作ってPDFを送っている場合も整理は同じで、作成から送付までの手順は請求書アプリはスマホだけでOKで扱っています。逆に、紙で渡した分の控えを電子でまとめたい場合は、先ほどの表の任意の2区分(電子帳簿等保存・スキャナ保存)を使うことになります。

電子のまま残すと決めたら、満たしておきたい要件は2つの考え方に整理できます。

電子データで保存するときの要件(真実性の確保・可視性の確保)

電子取引のデータを保存するときの要件は、「真実性の確保(あとから書き換えられない仕組み)」と「可視性の確保(見られる・探せる状態)」の2本立てです。順に見ていきます。

真実性の確保は、4つの選択肢から1つ満たせばよい

保存したデータが改ざんされていないことを担保する要件で、次のいずれかの措置を行います(前掲 一問一答)。

  • タイムスタンプが付与されたデータを受け取る
  • 授受後、速やかにタイムスタンプを付す(おおむね7営業日以内。事務処理の規程を定めている場合は最長2か月とおおむね7営業日以内)
  • 訂正・削除の記録が残るシステム、または訂正・削除ができないシステムで授受と保存を行う
  • 訂正・削除の防止に関する事務処理規程を定め、備え付けて運用する

個人事業主や小規模な法人にとって取り組みやすいのは、4つ目の事務処理規程です。法人の例・個人事業者の例のひな形が国税庁のページからダウンロードでき(国税庁「参考資料(各種規程等のサンプル)」・2026-08-26 確認)、自分の事業に合わせて整えれば、タイムスタンプや専用システムを導入しなくても要件を満たす道があります。

可視性の確保——検索できる状態と、検索要件が不要になる場合

保存したデータを、ディスプレイやプリンタ等で整然とした形式・明瞭な状態で速やかに出力でき、かつ「取引年月日その他の日付・取引金額・取引先」で検索できる状態にしておく要件です(前掲 一問一答 問20ほか)。ディスプレイ等の性能や台数に決まりはなく、日常業務で使っているもので構いません(同・問20)。パソコンを持たずスマホだけで発行している場合も、保存に使っているスマホがあれば電子計算機やディスプレイの備え付けは満たせます。プリンタを常設していなくても、税務調査の際に近隣の有料プリンタなどで速やかに出力できれば、それだけで要件違反とは扱われません(同・問21)。

この検索機能の確保には、負担を軽くする取り扱いがあります。税務調査の際にデータのダウンロードの求めに応じられるようにしていることを前提に、①2年前(個人は前々年、法人は前々事業年度)の売上高が5,000万円以下の事業者、または②データを出力した書面を取引年月日その他の日付・取引先ごとに整理して提示・提出できる事業者は、検索機能の確保そのものが不要とされています(前掲 一問一答 問51ほか)。月に数枚の請求書を発行する規模なら、①にあてはまることが多いはずです。

そのうえで、システムや社内の体制が間に合わないことに相当の理由があると所轄税務署長が認め、かつ税務調査の際にデータのダウンロードと出力書面の提示・提出の両方に応じられる場合は、保存時に満たすべき要件にかかわらずデータを保存すればよい、という猶予措置も設けられています(前掲 一問一答 問93)。どの取り扱いによる場合でも、データそのものを残しておくことが前提になる点は共通です。

検索できる状態を最も手軽に作る道具が、ファイル名です。

ファイル名・保存場所の整え方(国税庁の例がそのまま使える)

ファイル名に取引年月日・取引先・金額を入れて統一する方法は、国税庁の一問一答が例示している方法そのものです。一問一答は「2021年1月31日に株式会社霞商店から受領した110,000円の請求書」を「20210131_㈱霞商店_110000」と付ける例を示し、取引先や月ごとのフォルダに格納して保存する方法を挙げています(前掲 一問一答 問19)。発行側なら、送った控えのPDFに「20260731_〇〇商店_110000」のように同じ規則で名前を付ければ、検索できる状態に近づきます。

日付は「20260731」のように8桁で揃えると、ファイル一覧を名前順に並べるだけで時系列になります。請求書番号を末尾に足しておけば、同じ日に同じ取引先へ複数枚出したときも取り違えません。ファイル名を変えたくない場合は、連番だけ付けて、内容はExcelなどの索引簿で管理する方法も同じ問19で示されています。月締めで何件もの納品を1枚にまとめる合計請求書の控えも、日付・取引先・金額の3点で名前を付ける整理は変わりません(まとめ方は合計請求書(月締め)の作り方)。なお、ファイル名や保存場所の管理そのものを減らしたい場合は、登録不要で、作った請求書の履歴が端末に残るWebツールで作成し、送るPDFと控えを同じ場所に揃える方法もあります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 発行した請求書の控えは何年保存すればよいですか?

法人は原則7年(起算は事業年度の確定申告書の提出期限の翌日。前掲 No.5930)、個人事業主は所得税法上5年です(前掲 No.2070・No.2080)。適格請求書発行事業者として交付した控え(写し・データ)は、課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間です(前掲 問79)。登録を受けている個人事業主は、7年に合わせておくと数え分けずに済みます。

Q2. メールで送った請求書も電子で保存しないといけませんか?

メールに添付するなど電子的にやり取りした請求書は、送った側の控えも電子データのまま保存するのが原則です(前掲 一問一答 問30)。紙に印刷した控えをファイルするだけでは、データの保存に代えたことにはなりません。送信済みメールのフォルダに残っているだけでは探せる状態になりにくいため、添付したPDFを取り出して、控えの保存フォルダへ移しておくと確実です。

Q3. 個人事業主・フリーランスでも対応は必要ですか?

電子取引のデータ保存は、所得税の保存義務がある個人事業主も対象です。ただし、2年前の売上高が5,000万円以下なら検索機能の確保が不要とされるなど、小規模な事業者の負担に配慮した取り扱いがあります(前掲 一問一答 問51)。まずは「送ったデータを消さない」「ファイル名を整える」「事務処理規程のひな形を備え付ける」の3つから始めれば、個人の規模でも対応の形が作れます。

Q4. 請求書のほかに、領収書や見積書のデータも対象ですか?

対象です。電子取引の取引情報は、請求書・領収書・見積書・注文書などに通常記載される事項を指すため、入金後にPDFで送った領収書のデータなども同じ扱いになります(前掲 一問一答 問1・問2)。領収書を求められたときの但し書きの書き方は領収書の但し書きの書き方にまとめています。

Q5. 毎月同じ内容で発行しています。控えは毎月分残す必要がありますか?

毎月分が対象です。内容が同じでも、各月の請求書はそれぞれ別の取引の書類として扱われるため、控えも月ごとに保存します。ファイル名の日付部分を発行月で揃えておくと、月次の並びがそのまま検索の代わりになります。毎月同じ内容で出す請求書の作り方は毎月定額の請求書の作り方を参照してください。

Q6. 控えのデータはどこに保存すればよいですか?クラウドでもよいですか?

保存先の種類に指定はありません。一問一答は、ハードディスクやDVDのほか、クラウド(ストレージ)サービス等に記録・保存する方法を挙げています(前掲 一問一答 問4)。端末の中だけに置くより、控えのPDFをクラウドや外付けの保存先にも置いておくと、機器が故障したときにも保存期間を守りやすくなります。なお、メールの本文に金額や取引内容を直接書いて送った場合は、添付ファイルではなくそのメール自体を保存します(同)。

まとめ: 発行側の電帳法対応は「渡し方・期間・ファイル名」の3点で整う

  1. 発行済みの請求書を「電子で送った分」と「紙で渡した分」に分け、電子で送った分はデータが残っているか確かめる
  2. 自分の区分(法人・個人、インボイス登録の有無)に応じた保存期間を確認し、控えを何年残すか決める
  3. 控えのファイル名を「日付_取引先_金額」で統一し、今後の発行分から適用する
  4. 改ざん防止の措置を1つ選ぶ。迷ったら国税庁のひな形で事務処理規程を備え付ける

発行した請求書の控えを、作るそばから端末に残すなら

控えのPDFを保存し直す手間を減らす方法のひとつが、弊社のスイスイ請求のような、登録不要で作った請求書の履歴が端末に残るツールを使うことです。ブラウザで開くだけで請求書を作成でき、作った内容は端末に残るため、過去の発行分を手元で見返せます。電子帳簿保存法・インボイス制度に対応した様式で作れるので、記載事項を調べて様式を直す手間もかかりません。無料で作れるのは月10件までです。料金や無料の範囲はアプリ内の表示が最新です。

ただし、データは端末に保存されるため、端末の故障や買い替えに備えて、控えのPDFを別の場所にも残しておくと安心です。もちろん、フォルダとファイル名のルールを決めて手元で管理する方法でも対応はできます。登録不要で使えるツールの選び方は登録不要で使える請求書ツールで詳しく触れています。


登録ゼロ・開いて1分、今日の1枚がもう出せる。メールアドレスもアカウント作成も不要。ブラウザで開いて、そのまま作成・PDF保存。登録不要で請求書を作る →毎月10件まで無料・勝手に有料にはなりません

※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、税務・法務に関する助言ではありません。保存期間・保存要件の個別の取り扱いや、ご自身の事業がどの区分にあたるかの最終的な判断は、国税庁の案内と所轄の税務署・税理士等の専門家にご確認ください。

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